
昨今多数のテレビ番組や書籍でも取り上げられる「マインドフルネス」。
しかし用語は知っていても、意味や内容が分からない人が多いのではないでしょうか。
今回は、世界の超一流企業も実践している最新型マインドフルネスの効果と正しいやり方をご紹介します。
これを知っておけば、ストレスフリー且つリラックスした状態で人生を送ることができますよ。
目次
マインドフルネスの効果とは?
ここではマインドフルネスを行うことで得られる効能や変化を紹介していきます。
まずは、「マインドフルネス」の意味と由来を解説していきます。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは、過去でも未来でもなく”今ここ”だけに意識を向けて集中する状態です。噛み砕いた表現でいうと、今自分の中に流れる思いや考えに一切判断をせず、またそれらに対して生まれる思考や感情にも囚われない状態を指します。
マインドフルネスの語源は、インドで使われるパーリ語の「sati(サティ)」とサンスクリット語の「smrti(スムリティ)」とされており、どちらも仏教用語で「念・気づき」を指します。元は「気づくための瞑想」と邦訳されていましたが、後にmindfunessと英訳され世に広まったとされています。
そして1979年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の名誉教授であるジョン・カバット・ジン氏が、メディカルセンターに通う患者の苦痛を軽減するために「サティ療法」を始めたことで、大きな話題となりました。
今では精神障害や睡眠障害の治療や、アスリートへの治療法としても広くマインドフルネスが用いられています。
マインドフルネスの効果
精神に与える影響
マインドフルネスの元の意味は「気づくための瞑想」なので、自分が今まで認識すらしなかった感情や考えに巡り合うことも珍しくありません。
目を閉じて雑念を取っ払うことで見えてくる今の自分の姿を強くイメージしたり、ドクドクと音を立てる心臓の音に耳を澄ましたりすることで、高ぶっていた感情が抑制されて、傾いていた自分の軸が徐々に中心へと戻っていきます。
身体への影響
マインドフルネスに使われる脳の部位は、感情をつかさどる「偏桃体(へんとうたい)」と呼ばれる場所です。普段は喜怒哀楽を筋肉に伝えて「好き・嫌い」を判断し過剰に活動していますが、マインドフルネスにより活動が一時低下することで、リラックス効果が望めるのです。
後述しますが、具体的には集中力・注意力・記憶力の向上、対人関係の改善と私たちが普段悩みがちな問題を解決してくれるはたらきを持っているのです。
マインドフルネスはうつ病の治療にも使われている
オックスフォード臨床心理学名誉教授のマーク・ウィリアムを筆頭に考案されたマインドフルネスを応用した「マインドフルネス認知行動療法(MBCT)により、うつ病などの精神障害や病気に罹る患者数が劇的に減少したというデータが多く報告されています。
心の病や精神疾患を持つ人にも有効に作用するというのは、ストレス現代社会に生きる私たちには嬉しい報告ですよね。
マインドフルネスの効果に関する研究
マインドフルネスは科学的に認められている
先ほど少し触れましたが、マインドフルネスは決して怪しい宗教やオカルトではなく、科学的に立証されている立派な治療法です。
ストレスフルになりがちな日常生活に加えると感じる心の負担も劇的に減少するので、是非取り入れたいですね。
科学的に認められた結果
今では医学、ビジネス、自己啓発などの多くのシーンでマインドフルネスが応用されており、Google、Apple、フォーブスなど世界の超一流企業も仕事の合間に取り入れて作業の効率化を図っています。それほどマインドフルネスが私たちに与えるポジティブな影響は多いというわけです。
では実際どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからはマインドフルネスを行うことで生じるメリット・デメリットをご紹介します。
集中力が上がる
仕事や作業の効率が下がっている時に、マインドフルネスを3分~5分ほど行うと思考回路がクリアになります。それにより疲れが減って作業効率が上がりさらには記憶力もアップするというデータも紹介されています。
長時間のデスクワークは集中力や注意力を散漫にしてしまう原因なので、少し疲れを自覚したら目を閉じて今の自分と向き合いましょう。
ストレス下で平静を維持できる
マインドフルネスを定期的に行っていると、急なストレスやプレッシャーに襲われた時も落ち着いて行動できるようになります。
マインドフルネスとは、今のありのままの自分を感じて、時には不安やプレッシャーなどの負の感情さえも受け止める必要もある作業ですから、まずは継続して効能を待ちましょう。
記憶力が上がる
先述の通り、集中力と共に向上するデータが紹介されているのが記憶力です。マインドフルネスは今のありのままの自分を見つめて心を鍛えるトレーニングですから、ストレスでぐちゃぐちゃになった思考回路を一旦休めることで、心に余裕が生まれ記憶力も上がるというわけです。
初顔合わせのシーンが多いビジネスマンには是非取り入れておきたい習慣です。
人間関係がスムーズになる
心理学の巨匠・アルフレッド・アドラーの名言に「悩みの9割は、人間関係である」という有名なフレーズがあります。心理学に詳しくなくても、このフレーズを聞いたことがある人は多いはずです。
ストレス社会の現代は、誰しもが学校、職場、家庭内で起こるトラブルや多くのもめごとに疲れ果て、最悪は心の病になってしまうケースが多いのです。
そんな時こそ、マインドフルネスで人間関係のリセットを行いましょう。「この人は自分には合わない」と直感したら、遠慮なく線を切ればよいのです。また感情のコントロールもうまくなり、仲の良い友達にきつく当たることも少なくなります。
「この人は、本当に必要?」と自分を見つめなおす作業を繰り返していくと、本当に大事にするべき存在が見えますよ。
マインドフルネスを実践している人の感想
続いて、実際にマインドフルネスを短期間行った方の感想をご紹介します。人によって効能の個人差があるので、参考程度にしてください。「今何をしているのか」とよく気づくようになったという感想が多いようです。
感想①
(1)どんなことに雑念が出てくるのか気が付いた
例えば、今日の練習どうしようとか、あれもゴミを捨てなきゃとか
ちょっとした物事に心が反応していることがよく分かった。(2)本当の意味で集中力を持続させることの難しさを知った。
雑念が湧き出てくることによって集中力を切れさせ、また集中できたとしてもまた雑念に乱されの繰り返しであることが分かった。(3)自分の心の変化にも少し目を向けるようになった。
https://note.com/daily_take/n/nd78b49a13664
少しイラっとしたときや仕事で忙しい時に自分の心がどうなっているのか一歩立ち止まって心と対話することができるようになった。これは瞑想によって自分の心と向き合うようになったからこその変化かと思う。
感想②
メリット1 集中力が増す(感じ)
あくまで、自分の主観なので、そうじゃない方もいると思います。集中力が持続しやすい感じがします。
メリット2脳みそがじわっとくる(感じ)
上手く表現できませんが、脳の中の血液が循環してるのが、把握できる気がします。「ジワっと」する感じです。「あ〜瞑想してるんだな」と言う気分になります。
メリット3心が落ち着く(感じ)
これも上手く表現できませんが、なんか落ち着く感はあります。3分経って目を開けると、「ふう、よしやるか」みたいな心境になってます。
https://note.com/higulog/n/nbc48ae05b113
感想③
マインドフルネス瞑想を始めて1年と半年以上が経ちました。
マインドフルネス瞑想を始める前と比較すると、明らかに短期記憶が向上しているのが分かります。
また、自分を客観的に観れるようになった気がします。
怒りの感情が沸いてきたときに、
「今の怒りは何点か?」「足の指から土踏まずにかけて力んでいる」など客観的に自分の事を観ることができるようになり、
そのおかげか、自然と怒りが治まり「今、何をすべきか」と考えることができます。
自己コントロール力がついたおかげで、メンタル面での悩みも減りました。
https://kaitoblog.hatenablog.com/entry/2019/11/22/073000#%E7%9E%91%E6%83%B3%E3%82%9210000%E5%88%86%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%81%9F%E6%84%9F%E6%83%B3
マインドフルネスにはデメリットもある?
これまでマインドフルネスのメリットや効果について解説してきましたが、決してそれらが全てではありません。マインドフルネスをやりすぎたり間違ったやり方で行うと、思わぬ問題が起こります。
ここからは、マインドフルネスのデメリットをご紹介します。
マインドフルネスのデメリット
不安が大きくなる
ありのままの自分を受け入れるには、負の感情も全て取り込む必要があります。マインドフルネスで仕事のミスやプレッシャーを強く感じると、「もしも失敗したらどうしよう…」と、自分を責めて不安感がより強くなってしまう可能性があります。
もしそうなった場合は一旦マインドフルネスを中断し、ゆっくり休憩タイムを取りましょう。神経を落ち着かせるハーブティーや甘菓子を摂取するなど、少し肩の力を抜いて行うと、不安をなくしやすいです。
自己肯定感が下がる
前述の通り、マインドフルネスによる不安感の増大は、メンタルの軸である自己肯定感を下げる危険性があります。やり方を誤ると「自分はこんな簡単なこともできない、継続もできない」とすぐにネガティブ思考になるのが関の山です。
もし消極的・ネガティブになったと感じたら、一旦マインドフルネスを中止して、仕事や趣味など他の事柄に意識を向けるのも1つの手です。マインドフルネスに依存せず、あくまで習慣の1つとして捉えるようにしましょう。
禅病になる
禅病(ぜんびょう)とは、間違った方法でマインドフルネスや瞑想を繰り返したが故に起こる身体症状です。個人差はありますが、主な症状は幻覚・幻聴、吐き気、頭痛、めまい、吐き気などが当てはまります。
禅病は偏差(へんさ)とも呼ばれ、悪化すると統合失調症や摂食障害などの精神疾患につながる可能性があります。もしそのような身体症状が現れた場合は、すぐにマインドフルネスを中止し、かかりつけの内科医や精神科医などに意見を求めましょう。
マインドフルネスは正しい方法と適度な頻度で効果が現れるので、始めるからには正しい知識を身に着けてから取り入れるようにしましょう。
デメリットを回避するために
効果を焦らない
比較的早く変化が出るダイエットや筋トレとは違い、マインドフルネスは心のトレーニングなので、少しずつ継続してこそゆっくり効果が現れ始めます。
焦らず長期計画と割り切り、自分のペースでできる範囲で進めていきましょう。
リラックスして行う
様々なストレスで疲れた状態でマインドフルネスを行っても、効果は薄いです。大切なのは、疲れをとって落ち着いてから行うこと。
深呼吸したり、好きな香りを嗅いだり、ストレッチなどをしてからマインドフルネスを行うほうが、より高い効果が期待できます。明日へ繋がるポジティブ習慣として、マインドフルネスを取り入れましょう。
徐々に慣らす
最初は長く感じるかと思いますが、効果を程よく期待しながら続けていくと、徐々にプラスの影響が現れます。
慣れてきたら倍の時間に伸ばし、半分はマインドフルネス・半分はイメージトレーニングといったように、応用することも可能です。
まずは5分でもいいので落ち着いた状態で習慣化させていきましょう。
まとめ
マインドフルネスは科学的に立証されている心のトレーニング方法ですが、やり方を間違えると体に毒を与えかねないので、取り入れる際はインターネットだけではなく書籍や専門家の情報を頼って、十分な知識を得てから始めましょう。
身体だけではなく心も鍛えていければ、あなたの人生は確実に豊かで色鮮やかになりますよ。