
仕事や家事の合間にホッと一息つきたいときにコーヒーは欠かせない、という人は多いのではないのでしょうか。
コーヒー豆は生産地、焙煎度によって香りも味もまったく違った特徴をもっていて、種類も豊富です。カフェオレやエスプレッソなど、飲みたいコーヒーの種類にあわせてコーヒー豆も変えたほうが、よりおいしくコーヒーを味わうことができます。
自分だけのこだわりのコーヒーを見つけられたら、もっと頑張れそうな気がしませんか?
あなたにぴったりのコーヒー豆を探してみましょう。
目次
コーヒーの種類

現在コーヒー豆は130~200種類にのぼるといわれていますが、そのほとんどは「アラビカ種」「カネフォラ種」「リベリカ種」の3種類のどれかから分岐しています。
ここでは、コーヒー豆の種類とその違いを見ていきましょう。
コーヒーは主に2種類
現在市場に出回っているのは「アラビカ種」「カネフォラ種」の2種類です。
リベリカ種は市場全体の1%にも満たない生産量で、その大部分がが栽培している国内でのみ消費されているので日本でリベリカ種のコーヒー豆を見ることはあまりありません。
質の良いコーヒー豆を生産するには、
- 標高が高くて水はけがよい
- 一年を通して気温が安定し、なおかつ寒暖差がある
- 年間の降水量が多い
が必須条件です。
そのため、コーヒー豆のほとんどは火山の多い亜熱帯気候の国で栽培されています。
また、標高の高いところで栽培された豆のほうが高級品とみなされる傾向があります。
アラビカ種
コーヒーランキング一覧の上位を占める有名な銘柄のコーヒー豆は、ほとんどがアラビカ種に属します。
なんと、コーヒー豆市場の60%はアラビカ種です。
風味豊かで、環境によって個性のまったく違う味わい深いコーヒーになりますが、気候の変化で味が変わりやすく、害虫や病気への耐性も弱い品種なので採取するまでに大変な手間がかかります。
アラビカ種の特徴一覧
標高 | 900m~2,000m |
気温 | 15℃~25℃ |
降水量 | 1,500mm~2,500mm |
糖度 | 6%~9% |
油分 | 15%~17% |
カフェイン | 0.8%~1% |
特徴 | 糖度、油分が高く風味豊かだが気候変化、害虫、病気に弱い。 生産に手間がかかる |
カネフォラ種
一方、コーヒー豆市場の40%を占めるカネフォラオ種は、アラビカ種に比べて病気に強く、温度管理もしやすい品種で、低地でも育ちやすいコーヒー豆です。
気になる味は雑味や渋みが多く、独特のにおいもあるため、風味はアラビカ種に劣るといわれています。
しかし、コーヒー飲料の種類が豊富な日本では、カネフォラ種も重宝されています。
市販のブレンドコーヒーやインスタントコーヒーには、なくてはならないコーヒー豆です。
カネフォラ種の特徴一覧
コーヒー豆の銘柄とは?代表的な銘柄を紹介
コーヒー豆は産地の国名がそのまま銘柄になるケースと、生産地区の名前が付けられるケースがほとんどです。
生産地は品質を保つため、独自の厳しい基準を設けています。
ここでは、みなさんがよく聞く代表的な銘柄の特徴を紹介します。
グアテマラ
グアテマラは中米の真ん中あたりにある国です。
主な産地はアンティグア、ウェウェテナンゴ、ンマルコス、アティトラン、コバン、フライハーネス、ニューオリエンテ、アカテナンゴ の8か所で、中でもアンティグア産のコーヒー豆は品質が良いとされ、グアテマラコーヒーの代表的存在です。
モカ
モカの産地はイエメンとエチオピアです。モカの名前の由来はコーヒー豆を輸出していたイエメンの港に由来しています。エチオピア産のコーヒー豆もここから輸出されていました。
モカは生産地区の名前を下につけて品種を区別しています。
有名なのは、モカマタリ(イエメン産)、モカハラー、モカシダモ (エチオピア産)です。
軽く飲みやすいものから、濃厚でコクのあるものなど、味は豆それぞれに個性があります。
キリマンジャロ
キリマンジャロはアフリカのタンザニアにある山での中腹で栽培されていることから、この名前がつきました。
標高1,000以上の農園で生産されるコーヒー豆はハワイのコナコーヒー、ジャマイカのブルーマウンテンとともに、世界3大コーヒーの一つとされています。
ブルーマウンテン
ジャマイカのブルーマウンテン山の中腹あたりで生産されるコーヒー豆です。
香り、風味、コクのバランスが良く、生産量の8割を日本へ輸出しています。
コーヒー豆は麻の袋に入れて輸出されるのが一般的ですが、ブルーマウンテンは専用の木の樽につめて輸出するなど、トップブランドゆえの品質のこだわりを感じます。
ブレンドの特徴
ブレンドは、複数の銘柄のコーヒー豆を配合してバランスの取れた味を出すことで、低価格でおいしいコーヒーを作ることを目的としています。缶コーヒーやコンビニのコーヒーも、ほとんどがブレンドしたコーヒー豆を使用しています。
「コナブレンド」「ブルーマウンテンブレンド」という表記のブレンドコーヒーは、該当するコーヒー豆を30%以上配合しなけばならないという規定があります。価格が高めな高級コーヒー豆はなかなか手が出せないがけれど、近い風味を味わいたいという人におすすめのブレンドコーヒーです。
ほかにも、個人経営の専門店や喫茶店がこだわりのブレンドを数多く販売しています。 コーヒーにこだわる人の数だけブレンドもあるといえます。
コーヒー豆を選ぶ3つのポイント!

現在、コーヒー豆はさまざまな種類が出回っており、コーヒー初心者はどの種類が自分の好みに合うのか迷ってしまうこともあります。
コーヒー豆を買う前に産地、焙煎度合い、作りたいコーヒーの特徴を知っておけば、それほど迷わずに好みのコーヒーを見つけることができます。
産地
コーヒー豆は産地によって味が違います。
さっぱりした味わいがよければコナコーヒー、コクと苦みを重視するならキリマンジャロなどそれぞれの産地の豆の特徴を知れば、自分の好みに合うコーヒーが探しやすくなります。
お気に入りの専門店を見つけて、おすすめを教えてもらえば、自分好みのコーヒーが簡単にみつかるかもしれません。
焙煎度合い
コーヒー豆は焙煎する時間の長さで味が変わってきます。
豆の種類によっては、違う種類のコーヒーかと思うくらい変化するものもあります。
焙煎度合いの詳細については後述しますが、スイーツと一緒に飲むならあっさりとした浅炒り、ストレートならコク、苦みのバランスがいい中炒り、カフェオレなら苦みを重視して深炒りを使うなど、作り方に合わせた焙煎度合いのコーヒー豆を選びましょう。
作りたいコーヒー
ブラック、砂糖・ミルク入り、カフェオレ、エスプレッソなど、どんなコーヒーを作るかでも合うコーヒー豆は違います。
好みにもよりますが、ブラックでなら苦みと酸味の度合いにバランスがとれているもの、カフェオレなら苦みが強めなものというように、飲み方によって、合う豆をある程度決めることができます。
カフェオレに専用やブラックで専用など、多種多様なブレンドが販売されています。
その中から試してみるのもいいでしょう。
産地別のコーヒー豆の特徴

コーヒー豆は生産地によって香りや風味が大きく違います。
仕事の合間の一杯や、休日に家族と過ごすときなど、シチュエーションに合わせて違ったコーヒーを楽しむのもいいですね。
コナ(ハワイ島)
ハワイ島のコナ地区で生産されているコーヒー豆です。
やわらかな酸味とコクのバランスがよく、花のような甘い香りがします。
ブルーマウンテン(ジャマイカ)
コーヒー豆の中でも、香りの高さはNo1と言われています。
味のバランスがほかのコーヒーよりも優れており、口当たりの軽さとのどごしの滑らかさが特徴です。
日本人に一番好まれるコーヒーです。
モカ(エチオピア)
苦みがひかえめで、柑橘類を思わせる酸味と甘い香りが特徴のコーヒー豆です。
焙煎によって味わいはかなり変化します。
キリマンジャロ(タンザニア)
強い酸味と深いコクがあります。
雑味がなく、甘い香りが特徴のコーヒー豆です。
グアテマラ
果物を思わせる強すぎない酸味と甘い香りが特徴です。
また、チョコレートやナッツに例えられる深いコクと余韻が人気のコーヒーです。
ブラジル
程よい苦みと酸味があります。
全体的にクセがなくブレンドコーヒーのベースにも使われることが多い品種です。
普段、コーヒーを飲まない人でも飲みやすい味です。
コロンビア
コロンビアのコーヒー豆の産地が北部、中部、南部の3つに分かれ、まったく違う個性の味になります。
北部産のコーヒー豆は、穏やかな酸味とコクがあります。
中部産は香りがよく、苦み、酸味、甘みのバランスに定評があります。
南部産は酸味と香りが強く出ます。
マンデリン(インドネシア)
酸味が少なく、苦みが強く出ます。
インドネシアのコーヒー豆生産量全体の5%ほどしかない貴重なコーヒー豆です。
トラジャ(インドネシア)
独特の芳醇な香りとおだやかな苦みがあります。
別名グルメコーヒーとよばれるほどの深い味わいのコーヒーです。
生産量がとても少なく、幻のコーヒーともよばれています。
ジャワコーヒー(インドネシア)
強めの苦みがあり、酸味はあまりありません。
淹れると非常に濃い色になり、飲みにくそうな印象ですが、実際はなめらかで飲みやすい味です。
ケニア
柑橘系やベリーに例えられる、さわやかな酸味と豊かな香りが持ち味です。
苦みはあまりありません。
日本への輸出量は多くありません。主にヨーロッパで親しまれています。
ここまで産地の一部をご紹介しましたが、コーヒー豆はこちらのようにネット上から購入することも可能です。気になるコーヒー豆がございましたら、ぜひこちらをご覧ください。
焙煎度によるコーヒー豆の味の違い

収穫したコーヒー豆はそのままでは飲めません。生のコーヒー豆を炒って熱を加えることで、コーヒー特有の味や風味が引き出されます。
コーヒー豆は種類だけでなく、炒る時間の長さによって味や香りに違いが出ます。煎る時間が浅ければ酸味が強く残り炒る時間が長くなれば、コク、渋みなどが出て、酸味は減ります。
豆表面の色は炒る時間が短いうちは薄茶色で、炒る時間が長ければ長いほど、黒に近いこげ茶に近くなり、表面に油が浮いてきます。
ここでは、焙煎度の違いによる味の違いを紹介します。
焙煎度には8段階!
コーヒー豆の焙煎度は大きく分けて3段階に分かれます。
そこから細かく分かれ、最終的には8段階になります。
一覧の下から上の方ほど酸味が強くなり、上から下へ行くほど苦い順となります。
浅煎り | ライトロースト |
青臭さが残り、苦みはほとんどない。酸みが強い。豆の表面はごく薄い茶色 | |
シナモンロースト | |
苦みが少なく、酸みが強め。文字通り、シナモンににた色をしている。 | |
中炒り | ミディアムロースト |
日本で最も使用頻度の高い焙煎度。この辺から苦み、甘みが出るようになる | |
ハイロースト | |
苦みがやや強く出る。家庭用のコーヒーによく使われる | |
中深炒り | シティロースト |
酸味がおさえられ、苦みとコクのバランスがいい。豆の色はコーヒーブラウン。 | |
フルシティロースト | |
酸味より苦みが強く出る。豆の色はダークブラウン | |
深炒り | フレンチロースト |
酸味が激減し、苦み、コクがより強く出ます。豆の色は黒に近い濃い茶色で、表面に油が浮いてくる | |
イタリアンロースト | |
苦みが一番強く出る焙煎度。豆の色は黒に近いく、多量の油が浮いてくる。 |
焙煎度合い別の珈琲の味の違いとは?

コーヒー豆は焙煎が浅いほど酸味強く、焙煎度合いが深くなるほど、苦み、コクが強く出ます。
日本ではコーヒーの主流は中炒りか深炒りでしたが、最近は浅炒りを扱う専門店も出てきました。
浅炒り
コーヒー豆本来の味と香りが楽しめます。
苦みがなく、あっさりとしていて、紅茶のように気軽に飲めると、注目されています。
中炒り
ブラックで飲むのに適しています。
市販されているコーヒーの大半は中炒りです。
和食、洋食、スイーツなど、合わせる料理を選びません。
深炒り
油分が一番多く出る焙煎度です。
まろやかに加えてコク、甘みも出てきます。苦い順では深炒りが一番です。
深入りカレーなどスパイスのきいた個性的な料理との相性がいいコーヒーです。
飲み頃は焙煎3日後のコーヒー豆がおすすめ!
挽きたてのコーヒー豆が手に入ったらすぐ淹れてみたくなりますが、じつは3日ほど待ったほうがおいしく飲めます。コーヒー豆は焙煎する過程で炭酸ガスが発生します。炭酸ガスがコーヒー豆に入りこんでいるとコーヒー本来の味が引き出せません。
炭酸ガスが抜けるまでには3日ほどかかります。コーヒー豆はすぐに封をあけずに3日ほど待ちましょう。そして、一度封を切ったら2週間以内には飲み切るようにしましょう。
コーヒー豆は焙煎すると表面に油が出てきます。油は時間とともに酸化して、コーヒーの風味を損ねる原因となります。風味を保てるのが開封後2週間です。開封後は密閉容器に移して涼しい場所で保存しましょう。
作りたいコーヒーの種類から豆を選ぶ
コーヒーは様々な飲み方が提案されています。豆からこだわって作れば、さらにおいしく飲むことができます。
カフェオレを作りたいとき
脂肪分多いミルクを使うカフェオレは、苦い順、コクのある順で上位にくるグアテマラやマンデリンと相性がいいです。
焙煎度は深炒りを使うとおいしく仕上がります。
エスプレッソを作りたいとき
エスプレッソは専用の機械を使って、短時間で時間で香り、風味を抽出します。
深いコクのあるブラジル、マンデリンの深炒りがおすすめです。
エスプレッソマシンのメーカーがから出ている専用の豆なら手軽にエスプレッソができます。
水出しコーヒーを作りたいとき
水でじっくり時間をかけて淹れます。お湯で淹れるより苦み、雑味が出にくく、コーヒーが苦手な人でも飲みやすくなる反面、酸味が強めに出るので、酸っぱすぎる味になるので注意が必要です。
水出しコーヒーには酸味がひかえめで、コクがしっかりでるコロンビアやトラジャで作るとおいしくなります。焙煎度は中炒り以上を使いましょう。
コーヒーの粉末は持っているが、コーヒーの入れ方がわからないという方は、こちらの「コーヒーの入れ方」を御覧ください。
まとめ
コーヒーは様々な種類があり、楽しみ方もいろいろあります。
カフェオレにはこのブレンド、ストレート専用の銘柄とこだわれば、さらにコーヒータイムが楽しめそうですね。
ただ、コーヒーにはカフェインが含まれているので、飲む時間帯と量は注意しましょう。