
「エナジードリンクって本当に効果があるの?」
「エナジードリンクと栄養ドリンクって違うものなの?」
エナジードリンクを飲もうか検討している人はこのような疑問を持っているのではないでしょうか。
実際、受験勉強や大切な会議の前なんかにエナジードリンクを飲んでいる人はたくさんいます。
この記事ではどれくらいの効果があるのかや副作用、効果を高める飲み方などを紹介していきます。エナジードリンクを深く知りたい人はこの記事を読んで参考にしてください。
目次
そもそもエナジードリンクとは?栄養ドリンクではないの?

エナジードリンクと栄養ドリンクはなんとなく同じような部類に分けてしまいがちです。しかし、実は全く別物です。
ここではエナジードリンクと栄養ドリンクについて詳しく解説していきます。
エナジードリンクとは清涼飲料水
勘違いしている人が多いですが、エナジードリンクは清涼飲料水です。
清涼飲料水とは、乳製品やお酒以外の飲み物のことで、水やお茶、コーヒー、炭酸飲料などのことです。
エナジードリンクと名前だけを聞くと、いかにも栄養豊富で飲んだらすぐに力をチャージできそうですが、水と同じ種類に分類されています。
しかし、野菜ジュースや機能性飲料などと同じく、ビタミンやカフェイン、高麗人参など健康によいものが含まれているのも事実です。
エナジードリンクは栄養ドリンクや医薬品ではありません
エナジードリンクは清涼飲料水なので栄養ドリンクや医薬品ではありません。
栄養ドリンクや医薬品の場合は、効果効能を謳うことができます。例えば、肉体疲労時の栄養補給や滋養強壮に効果があるとパッケージや表紙などに大々的に書けます。
一方のエナジードリンクの場合はビタミンなど身体によい成分が含まれているので、健康に効果があるかもしれません。しかし、薬機法(旧薬事法)によって効果効能は謳えないのが現実です。
つまり、疲れを取りたい時や病気などの予防のために飲むのであれば、エナジードリンクよりも栄養ドリンクや医薬品を選ぶのが正しい選択です。
エナジードリンクと栄養ドリンクの違いとは?
エナジードリンクと栄養ドリンクの原材料名を見ても、実際それほど大きな違いはありません。しかし、エナジードリンクと栄養ドリンクには含まれている成分に決定的な違いがあります。
それは栄養ドリンクには肝細胞に作用する働きを持つ「タウリン」が含まれていることです。タウリンによって肝機能が向上し、疲労感が改善したり解毒作用が強化されるので健康を維持しやすくなったりするのです。
ちなみに、タウリンは厚生労働省によって専ら医薬品として使用される成分として指定されています。つまり栄養ドリンクは医薬部外品で、医薬品の一種なのです。
一方のエナジードリンクにはタウリンはもちろん、医薬品と認められるような成分は含まれていません。
タウリンの代わりに似たような効果が期待される「アルギニン」などが含まれています。しかし、効果効能を謳えないという意味ではエナジードリンクと栄養ドリンクは全くの別物です。
ただし、これは国産のエナジードリンクに限ったことです。海外産のものによってはタウリンが含まれているものもあります。
国産か海外産かで成分は若干違うので、商品名は同じでもアレルギーなどがある人は気をつけるようにしてください。
エナジードリンクの効果とは?

エナジードリンクは日本では効果効能を謳うことはできません。しかし、健康的な成分や元気にするようなものが含まれていることは事実です。
そこで、ここではどのような効果が期待できるのか紹介していきます。
まずエナジードリンクに含まれる成分とは?
まずはエナジードリンクは主にどのような成分が含まれているのかを紹介していきます。
眠気を防ぐカフェイン
エナジードリンクは眠気覚ましに飲んでいる人は多いのではないでしょうか。実際多くのエナジードリンクには眠気を防ぐカフェインが含まれているものが多いです。
コーヒーやお茶にもカフェインは含まれていますが、朝から飲んでいては飽きてしまいます。そんな時は景気づけにエナジードリンクでカフェインを摂取するのがいいでしょう。
成長ホルモンの分泌を促進するアルギニン
エナジードリンクには成長ホルモンの分泌を促進するアルギニンが含まれています。
アルギニンには肝臓の働きを良くする働きがあります。栄養ドリンクにはタウリンが含まれていますが、国内のエナジードリンクではその代わりの成分です。
エネルギー代謝に必須:ビタミンB群
エナジードリンクにはエネルギー代謝に必須のビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンはなじみがある成分ですので、「ビタミンB群」もあまり注目しないかもしれません。しかし、意外にも代謝・元気を維持するためにはかなり大切な成分です。
ビタミンB群の多くは水や熱、光などによって分解されるので、毎日十分な量を摂取しにくい成分でもあります。
そのため、エナジードリンクを利用すれば効率よくビタミンB群を摂取できるので、健康の維持にも有効です。
成分ごとに紹介!エナジードリンクの効果とは?
上の章ではエナジードリンクに含まれている主な成分の効果についてざっくりと解説しました。
ここではさらに深堀して、身体にどのような効果が期待できるのか説明していきます。
カフェイン
カフェインに期待できる効果は主に以下のものがあります。
・覚醒機能
・むくみ改善
・冷え性予防
・脂肪燃焼効果
・アルツハイマーやパーキンソン病の予防
最も有名なのは覚醒機能でしょう。カフェインには睡眠を促す成分と結びつくことで眠気を抑える効果があるのです。その結果、脳の働きが活性化して覚醒するのです。
また、カフェインには利尿作用があるので、身体に溜まった余分な水分が排出されます。その結果、足などのむくみが改善しやすくなるのです。
他にも血管を拡張する働きがあるので身体を温める効果、つまり冷え性の予防を期待できます。さらに体温が上がると代謝がよくなってエネルギーの消費量が増えます。その結果、脂肪が燃焼されやすくもなるのです。
近年の研究結果では、アルツハイマーやパーキンソン病などにもよい効果があると期待されています。
アルギニン
アルギニンは非必須アミノ酸の一種で、摂取することで以下のような効果が期待できます。
・成長ホルモンの分泌促進効果
・肝機能アップ
・血行促進効果
・免疫力の増強
アルギニンを摂取すると成長ホルモンの分泌が増えます。成長ホルモンは筋肉を増強する作用があるので、ボディビルダーの人が積極的に摂取している成分でもあります。
また、筋肉量が増えると基礎代謝がアップするので、ダイエットをしている人にも有効です。
アルギニンには肝機能を高める作用も期待できます。肝臓は疲労感を引き起こすアンモニアなどの毒素を無毒化する働きがあります。そのため、肝臓の働きがよくなると疲れを感じにくくなるので、「元気になれたと」思えるのです。
さらに、血行を促進する効果も「疲れ」に効果的です。例えば、血行がよくなると腸の働きがアップします。腸には免疫細胞の約6割が集中している器官ですので、元気になると免疫力も高まるのです。
ちなみに、血液の流れがよくなるということは、動脈硬化や脳卒中などの大きな病気の予防が期待できるだけでなく、肌細胞も活性化するので美肌効果も期待できます。
ビタミンB群
ビタミンB群は細かくいくつにも分類されていますが、エナジードリンクに含まれているのは以下の4つです。
・ビタミンB2
・ナイアシン
・ビタミンB6
・ビタミンB12
種類はいくつもありますが、共通しているのは代謝を助ける作用です。例えば、ビタミンB2は主に脂肪を、ナイアシンは糖質・脂質・たんぱく質の燃焼を促します。ビタミンB6もたんぱく質の分解を助けます。
つまり、ビタミンB群は摂取した肉や野菜などの栄養素を身体がエネルギーとして消費できる形に変えているのです。そのため、十分に摂取することでエネルギッシュで活動的な生活を助けてくれます。
エナジードリンクの副作用とは?飲みすぎてはいけない?

エナジードリンクは忙しい人にはかなりうれしい効果が期待できます。しかし、副作用やたくさん飲んでも大丈夫なのか心配になる人もいるでしょう。
ここでは副作用や飲みすぎるとどうなるのかについて詳しく解説していきます。
エナジードリンクには副作用はあるの?
結論からいって、エナジードリンクには以下のような副作用があります。
・睡眠障害
・自律神経の乱れ
・便秘・下痢
・吐き気
・イライラ
・肥満
すでに説明した通り、エナジードリンクは医薬品ではなく清涼飲料水ですので、それほど刺激がある成分は含まれていません。しかし、カフェインなど中毒性がある成分が含まれていることも事実です。
また、カフェインには覚醒作用があるので、人によっては興奮状態が続いて睡眠の妨げになる場合もあります。それが続くと睡眠障害を引き起こすリスクがあります。
さらに、興奮状態になるために交感神経が続くので、リラックス状態にスムーズに切り替われません。その結果、自律神経が乱れて身体中にさまざまな悪影響を引き起こすのです。
副作用を引き起こさないためには、エナジードリンクに頼り過ぎないことが大切です。
エナジードリンクは飲みすぎてはいけないの?
正直エナジードリンクの飲みすぎは身体に良くありません。例えば、カフェインは適量であれば眠気の抑制や疲労感の現象などの効果が期待できます。
しかし、過剰摂取するとめまいや心拍数の増加、不安、不眠症などの悪影響を与えます。
欧州食品安全機構(EFSA)やカナダ保健省によると、身体に悪影響が出ないカフェインの量は400mgです。商品にもよりますが、エナジードリンク1本にはカフェインが100mg前後含まれています。
つまり、毎日4本以上飲んでいると、飲みすぎのために健康被害を引き起こす可能性があるのです。
もちろん、エナジードリンクに含まれている成分には、他にも過剰に摂取すると身体に悪影響を引き起こす成分があります。
カフェインによる副作用以外にも気をつけないといけない作用があるので、飲みすぎと思っている人はすぐにやめるようにしましょう。
エナジードリンクは飲みすぎると太るって本当?
エナジードリンクの飲みすぎは肥満を引き起こす可能性も十分にあります。その理由は砂糖がたくさん含まれているからです。
エナジードリンクにはビタミンB群やアルギニンなど代謝を良くする成分が含まれています。しかし、砂糖が多いと短期間で一気に糖質過多、高カロリー状態になるので、使い切れなかったエネルギーが脂肪として身体に蓄積されるのです。
肥満は体型という見た目の問題だけでなく、生活習慣病になるリスクを急激に上げてしまいます。元気のために飲んでいるエナジードリンクで病気にならないように、糖質・カロリーの摂取にも気をつけましょう。
なお、中には糖質やカロリーを制限したものも出てきています。糖質やカロリーを気にする人は、カロリー・シュガーフリーの商品を手に取るようにしてください。それだけでも十分に肥満になるリスクを下げられます。
エナジードリンクの効果をより高めるには?

エナジードリンクは医薬品ではないので、基本的に用法用量はありません。しかし効果を高める飲み方・飲む時間帯などがあります。
ここではエナジードリンクの効果を最大限に高める飲み方を紹介していきます。
1日1本〜2本を飲む
エナジードリンクを飲む量は1日に1~2本に抑えるのが大切です。飲みすぎは元気になるどころか、病気になるリスクを高めます。
エナジードリンクの多くはカフェイン量が1本100mg程度です。健康被害が危惧されるのは400mg以上ですので、計算上は4本程度飲めます。
しかし、カフェインが含まれている飲み物にはお茶など身近なものも含まれます。つまり、エナジードリンクだけでカフェイン量400mgを摂取してしまうと、過剰摂取になる可能性が高いです。
他にも3~4本飲んでしまうと過剰摂取になる成分があるので、エナジードリンクは1日2本までにするようにしましょう。
夜より日中に飲むことがおすすめ!
エナジードリンクを飲む人が期待する作用で多いのが、覚醒作用や眠気覚ましです。そんな人におすすめなのが、眠気を覚ましたい夜よりも日中に飲むことです。
その理由はカフェインが効き出す時間と持続力にあります。例えば、カフェインを摂取してから効き出すまでには30~60分程度かかります。つまり、眠気を覚ましたい時にエナジードリンクを飲んだのではすでに遅いのです。
また、カフェインの持続力は人にもよりますが、多くの場合4~5時間です。もし、夜に飲んだのでは、そろそろ寝ようと思っても寝つけなくなります。
このような理由から、エナジードリンクで眠気を覚ましたい人は日中に飲んでおくことがおすすめです。
他にも、ビタミンB群には代謝機能をアップさせる作用がありますが、寝る前に代謝機能を高めてもほとんど意味がありません。
エナジードリンクの効果を最大限高めたいのだあれば、活動している時間帯に飲んでおくようにしましょう。
アルコールと一緒に飲まない
エナジードリンクはアルコールと一緒に飲まないことも、健康効果を高めるために大切です。その理由は大きく2つあります。
1つ目は、エナジードリンクによってアルコールの吸収率がアップするといわれているからです。アルコールは身体にとっては毒素ですので、吸収率が上がればそれだけ身体への負担もアップします。
2つ目は、覚醒作用です。アルコールをある程度摂取すれば酔いがまわります。しかし、カフェインによって覚醒作用があるので、酔いを感じにくくなるのです。つまり、「まだ飲める」とお酒の飲みすぎにつながるのです。
近年はエナジードリンクにアルコールが入ったものが売られていますが、健康という側面からはおすすめはしません。もし、どうしても飲みたいという人は、危険性を十分に理解して飲みすぎに注意しながら飲むようにしてください。
まとめ
エナジードリンクはここ一番、元気になりたい時に有効な飲み物です。
カフェインやビタミンB群などの成分が含まれているので、摂取することで疲れが和らいだり眠気が抑えられたりする効果が期待できます。
しかし、医薬品や栄養ドリンクではなく高い効果は期待できませんので、注意してください。また、効果を得たいと大量に摂取することも危険です。
適量を飲むことで元気を感じやすくなるので、多くても1日1~2本を目安に飲むようにしましょう。
そうすればエナジードリンクで元気な生活を送りやすくなります。