
「コーチングの資格を取得するとどのようなメリットがあるの?」
「コーチングの資格の難易度は?また取得のための費用ってどれくらい?」
コーチングの資格について興味を持っている人はこのような疑問を持っているのではないでしょうか。
コーチングの資格はアメリカやヨーロッパなど国際的に評価されているので、コーチングの取得を目指しているいる人も多いでしょう。
そこで、この記事ではコーチングの資格の取得方法や難易度、費用などを詳しく解説していきます。
これからコーチングの資格を取得しようと考えている人は、全体像が見えてくるのでぜひ参考にしてください。
目次
コーチング資格とは?

そもそもコーチングってどんな資格かご存じでしょうか?
ティーチングとは明確に違います。
コーチングの資格を目指すなら絶対に必要な知識ですので、ザッと解説していきます。
コーチングとは?
コーチングの言葉の由来は、馬車を意味しています。
馬車(Coach)は乗っている人を目的の場所まで送り届けるのが役割です。
つまり、コーチングとは目的を達成するために必要な課題やステップなどをサポートすることです。
また、的確なコミュニケーションなどによって成果を出せるような行動に結びつける支援のことを指します。
よくコーチングとティーチングは混同されますが、まったくの別物です。
例えば、コーチングの前提はお互いが対等な関係で、相手の話を聞きながら相手に問題解決のための課題を考えさせたり自己実現するための行動を促したりします。
つまり、視点や選択肢を増やすことで相手に自主的・能動的な行動を求めていくのです。
一方のティーチングは「親と子」「先生と生徒」のように上下関係が前提で、豊富な知識や経験を相手に伝えて成長を促すことです。
一方的なコミュニケーションになりやすく、相手が自分で考えて行動をするような状態は期待できません。
いま、コーチングを学ぶべき理由とは?
今こそコーチングを学ぶべき理由は大きく2つあります。
1つはあらゆる職場でリーダーシップや組織のマネジメント力が求められているからです。
組織を機能的に動かすためには、一方的に指示を出すだけでは限界があります。
リーダーはコーチングによって相手に合ったコミュニケーションをして、自主的に考えて目標に向かっていくように仕向けていく能力が求められています。
コーチングの資格について学ぶことで、組織に属している人すべてが主体性を持って行動できるように促せるのです。
結果的に、自身の仕事の幅が広がって、組織としての目標達成もしやすくなるのです。
もう1つは、コーチングの前提はお互いが対等であるので、相手が考えなどを話しやすい環境を作れます。
通常の職場では上下関係があるので、指示や伝達などの一方的な会話で終始します。
しかし、コーチングの資格を学んでおくと相手に自由な考えを話させるようにできるので、お互いに問題を共有できるようになるのです。
コーチング資格とは?
コーチング資格とは、コーチングを適切に行える技術を持っていることを証明するものです。
「コーチング資格」といっても、国内外にさまざまな団体がそれぞれの認定証を発行しているので、共通したものはありません。
ただし、コーチングの考え方はすべての資格で基本的に共通していることが多く、カリキュラムなどが少し違うと認識してください。
そのため、自身・自社の考えや目的、コーチング資格の取り方などを考えて狙う資格を考えるのがいいでしょう。
また、資格取得には経験やトレーニング時間など条件にバラツキもあるので、はじめは初心者向けのコースを狙うのがおすすめです。
本当に資格は必要?資格を取得するメリットとデメリットとは?

コーチング資格はあくまでコミュニケーション技術の1つですので、わざわざ取らなくてもいいのではと感じる人も多いでしょう。
また、コーチング資格の取得には高額の費用がかかるので、実際資格を取得すべきか悩んでいる人は多いです。
そこで、ここではコーチング資格を取得することにどのようなメリット・デメリットがあるのか解説していきます。
コーチング資格を取得するメリット
まずはコーチング資格を取得するメリットについて説明していきます。
コーチング技術が身につく
コーチングの資格を取得するメリットの1つは、正しいコーチング技術が身につくことです。
コーチングは単にコミュニケーション能力が優れているというものではありません。
正しいコーチングには相手との向き合い方や話しの組み立て方、表情や仕草から感情を読み取るなどさまざまな能力が求められます。
コーチングはコミュニケーションの延長線上の技術ではないので、正しい教育を受けないと身につけられません。
接し方を少し変えればコーチングができると思っている人もいますが、正しい技術を身につけるならしっかりとした組織から教育を受けるようにしてください。
コーチング資格を取得すれば、これらの正しいコーチング技術が身につくので、リーダーシップやマネジメント力をアップさせられます。
また、コーチング資格を取って技術を身につければ業績が上がったり問題解決能力が高まったりするので、周りの評価の向上も期待できるでしょう。
コーチングの資格を取得することは、それから派生してさまざまなメリットがあるのでおすすめです。
コーチング技術を学んだという証明になる
コーチングの技術を持っている証明になることもメリットといえます。
何度も説明している通り、コーチング技術はあらゆる業界業種で求められているものです。
そのため、コーチング技術を学んだ・理解があるという証明は就職や転職などでかなり有利になります。
つまり、コーチング技術の資格取得はキャリアアップにも使えるのです。
もちろん、コーチング資格を優遇する企業は日本国内だけでなく、海外でも重宝されています。
ビジネスの成果を世界に広げていきたいと考えている人は、コーチング資格は技術の証明になるので取得するとよいでしょう。
その場合は世界最大規模の団体である国際コーチ連盟(ICF)のコーチング資格の取得を目指すのがおすすめです。
コーチング資格を取得するデメリット
コーチング資格のメリットは多いですが、デメリットも存在します。
ここではコーチング資格を取得するデメリットを紹介します。
費用がかかる
コーチング資格を取得する最大のデメリットが、資格取得のために多大な費用が必要になることです。
民間団体が認定証を発行しているので発行元によって費用に違いがありますが、安いところで数十万円、高ければ150万円を超えます。
例えば、国際コーチ連盟(ICF)資格取得を目指す場合、受講期間が約18か月で165万円がかかります。
多くの団体は40~50万円程度で受講して試験まで受けられて、資格が取得できると考えてください。
ただし、費用だけで見ると大きな出費ですが、コーチング資格を取得することで得られる経済的なメリットも大きいです。
コーチング資格の取得を目指すときは、現在の費用だけでなくキャリアアップを考えた未来のことも考えることが肝心です。
そうすれば、コーチング資格の取得にかかる費用は安いものになる人も多いでしょう。
コーチング資格の種類とその内容

コーチング資格について説明をしてきましたが、ここではその種類について掘り下げていきます。
国内外の資格団体の紹介もするので、どのコーチング資格を取得するか考えている人は参考にしてください。
国内の資格
まずは日本国内でコーチング資格を発行している団体を3つ紹介していきます。
生涯学習開発財団認定コーチ

日本のコーチング資格の中で最も代表的な資格が、生涯学習開発財団によるコーチング資格です。
文部科学省の直轄する機関ですので、日本国内では人気と信頼性の両方が最も高いといえます。
1998年にスタートして2020年1月現在で約8,200人以上の有資格者を生み出しています。
なお、認定コーチの資格には難易度・レベル別に以下の通り3つあります。
・認定コーチ
・認定プロフェッショナルコーチ
・認定マスターコーチ
それぞれ認定試験受験条件は同じで、「コーチ・エィ アカデミア履修有効期間中の方」か「卒業生対象の会員制度「メンバーズ」会員の方」です。
また、どの資格でも費用は共通で11,000円で受験できます。
ただし、受験申請条件は異なります。
例えば、初級者対象の認定コーチなら以下の3つが条件です。
・コーチ・エィ アカデミアの01〜08を受講。または、DCDクラスを全て履修
・1on1コーチを1クール(10セッション)受けている
・5名以上へのコーチング実践経験
一方の、認定マスターコートの場合は以下の条件です。
・認定プロフェッショナルコーチ資格の保有
・コーチ・エィ アカデミアの01〜30を受講
・1on1コーチを2クール(20セッション)受けている
・認定コーチ資格取得後に、5名以上へのコーチング実践経験
上級者資格になるにつれて条件が難しくなりますが、より高度なコーチング技術も身につくので目指すことをおすすめします。
CPCC(CTIジャパン)

CPCC(CTIジャパン)はコーチング業界でも厳格なトレーニングをする団体として認識されています。
2000年にアメリカのCTIからライセンスを受けて設立されました。
CTIは世界で初めてICF(国際コーチング連盟)から認められたトレーニングプログラムを作った機関です。
CTIジャパンはそのクオリティを忠実に提供しているので、コーチング資格の取得を目指すならおすすめできます。
CTIジャパンのコーチング資格は難易度・レベル別に以下の通り2つあります。
・コアコース
・上級コース
コアコースは基礎から応用までを学べる資格です。
上級コースは応用コースをさらに深めてプロとして活躍できるレベルにまで技術を高められる資格です。
なお、上級コースの資格を取得し、さらに口頭・筆記試験に合格するとCTIの認定資格であるCPCCが授与されます。
2019年9月現在、世界で約10,000人がこの資格で活躍をしているので、スキルアップに役立ちます。
日本コーチ連盟認定コーチ

コーチング学習を安い価格で提供しているのが日本コーチ連盟です。
低価格でコーチングの資格が取得できますが、2002年以来着実に実績を積み上げている団体です。
そのため、日本コーチ連盟のプログラムを受けている公的・民間機関は増え続けています。
コーチングの資格は難易度・レベル別に以下の2つです。
・(社)日本コーチ連盟認定コーチ
・(社)日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータ
(社)日本コーチ連盟認定コーチはコーチング技術の実践的な水準を満たしていることを証明する資格です。
(社)日本コーチ連盟認定コーチング・ファシリテータは基礎的な学識と技能水準を有していることを証明する資格です。
国際的資格
次は日本国外で一般的なコーチングの資格を発行する国際団体を紹介していきます。
ICF(国際コーチング連盟)

ICF(国際コーチング連盟)はアメリカに拠点を置くコーチング資格を発行する国際団体です。
会員国は約150ヵ国で会員数は約5万人の国際的に最も認められた団体でもあります。
ICFが発行する資格は難易度・レベル別に以下の3つがあります。
・ACCアソシエート認定コーチ
・PCCプロフェッショナル認定コーチ
・MCCマスター認定コーチ
これらの資格を取得するには、ICFが認定するプログラムであるACTPを修了する必要があります。
なお、生涯学習開発財団やCTI Japanから資格を取得した場合は、ACTPを修了することでICFの資格を申請することが可能です。
欧州メンタリング&コーチング協議会(EMCC)

欧州メンタリング&コーチング協議会(EMCC)は主に英国を拠点に置き、欧州をメインにコーチング資格を発行している国際団体です。
会員国は約70ヵ国で会員数は6,000人ほどです。
EMCCが発行するコーチング資格は難易度・レベル別に以下の4つです。
・ファウンデーションコーチ
・プラクティショナーコーチ(ACCに相当)
・シニア・プラクティショナーコーチ(PCCに相当)
・マスター・プラクティショナー(MCCに相当)
なお、プラクティショナーコーチはICFのACCに相当し、シニア・プラクティショナーコーチはPCCに相当します。
また、マスター・プラクティショナーはMCCレベルの技術を持っていると証明されます。
コーチング協会(AC)

コーチング協会(AC)は英国に拠点を置き、欧州やアジアなどをメインにコーチング資格を発行する団体です。
会員国は約50ヵ国で会員数は7,000人程度です。
ACが発行するコーチング資格は難易度・レベル別に以下の4つです。
・ファウンデーションコーチ
・プラクティショナーコーチ(ACCに相当)
・シニア・プラクティショナーコーチ(PCCに相当)
・マスター・プラクティショナー(MCCに相当)
レベルはEMCCと同様でと考えてください。
コーチング資格は独学でも取れるの?

コーチングの資格は国内外で取得できます。
ただ、他の資格のように独学でコーチング資格を取得できるのか気になる人もいる人もいるでしょう。
そこでここではコーチング資格は独学で取得できるのかどうか解説していきます。
【結論】独学での取得は難しい
コーチングの学習自体は独学でも可能ですが、資格を取得するのは独学ではかなり難しいのが現実です。
その理由の1つは資格が国家資格や公的資格ではなく民間資格だからです。
民間資格の場合、単に試験に合格すれば資格を取得できるものではありません。
資格を発行する団体それぞれに細かい条件があり、それを独学ではなかなかクリアできないのです。
講座の履修が必要とされるケースが多い
その条件の1つが、コーチング資格を発行する団体の「独自のプログラムを履修しないといけない」というものです。
コーチング資格を取得するためには試験を受験しなければなりませんが、その受験資格を得るために講座を履修しなければなりません。
自分で本や動画などの情報を集めていくら技術を身につけても、講座を履修しなければ受験資格すらないのです。
つまり、独学ではコーチング資格を取得するのが困難といえるのです。
独学で取得したい場合はオンラインスクールを利用しよう!
独学だけでコーチング資格を取得するのは難しいですが、独学にこだわるのであればオンラインスクールを考えてみてください。
コーチングを安い価格で教えてくれるサービスが日本国内にはいくつかあります。
コーチング技術のレベルを一定程度高めてから、スクールに通えば費用を抑えて資格取得が可能になるケースがあります。
コーチング資格取得におすすめのスクール

コーチング資格を取得する場合、資格を発行している団体は国内・国際含めていくつもあります。
では、コーチング資格の取得を考えた場合、どこに注目して選ぶべきなのでしょうか。
ここではコーチング資格を選ぶ際のスクールの選び方を紹介していきます。
コーチングスクールの選び方とは?
コーチングスクールを選ぶ際に大切なのは、以下の4つのポイントです。
・必要な講座を受けることができる
・実技の講習がある
・卒業生数が多い
・口コミなどの評判
以下で詳しく解説していきます。
必要な講座を受けることができるか?
必要な講座を受けられるかどうかは最も大切なポイントです。
例えば、ICFのコーチング資格を取得したいと考えている場合、生涯学習開発財団やCTIジャパンなら資格取得後にACTPを修了することで資格の取得ができます。
しかし、日本コーチ連盟など他の団体の場合、資格を取得してもACTPを履修できない可能性があるのです。
スクールの選択を間違うと、せっかく高額の費用と時間をかけて資格を取得しても目的を達成できない可能性があるのです。
目標がある場合は、選んだコーチングスクールで希望の資格を取得できるのか確認するようにしましょう。
実技の講習があるのか?
コーチングの資格を取得して実際に現場で使っていきたい人は実技の講習があることもチェックが必要です。
コーチングは資格を取得しても技術の知識を持っていたとしても、実際に使えなければ意味がありません。
実技でトライアンドエラーを繰り返しておくことで、実際に現場に出たときに力を発揮できるようになるのです。
もちろん、高いスキルを身につけるためには経験を積む必要がありますが、実践に出る前に擬似的な実践が欠かせません。
実際にコーチング資格を使うのであれば、実技講習があるスクールを選ぶようにしましょう。
卒業生数が多いのか?
コーチング資格は民間資格なので、誰でもコーチング資格を発行する団体を作ろうと思えばすぐに作れます。
そのため、中には費用を請求してくるだけで十分な学習サービスを提供しないところもあります。
そのような団体を選んでしまわないために、卒業生がどれくらいいるのかを調べるようにしましょう。
卒業生が多いということは、実績があってさまざまな人から支持されていることがわかります。
ちなみに、卒業生に対してプロモーション支援を行っている団体もあります。
そのような団体では本当にどれくらいの卒業生が支援を受けているのかも確認しておくとよいでしょう。
口コミの評判はどうなのか?
コーチング資格の団体のホームページを見れば、どのような資格なのか、どんな実績があるのかなどがわかります。
しかし、公式サイトではどれくらい自分に合っているスクールかまではわかりません。
そのため、コーチング資格のためにスクールを選ぶ際は、口コミなどの評判もしっかりと確認しておきましょう。
学習の進め方やスクールの考え方など、受けてみないとわからない情報が得られることがあるのでおすすめです。
なお、スクールによっては説明会を実施しているところもあるので、積極的に参加してください。
まとめ
コーチング資格は国内外問わず、注目度が高まっている資格です。
コーチングの正しい技術を身につければリーダーとしての役割を果たせるようになるので、業績のアップをさせやすくなります。
そのため、コーチングの技術を身につけている証明として資格が注目されているのです。
しかし、コーチングの資格は国家資格ではなく民間資格なので、コーチングの資格を発行する団体によって受験資格が異なります。
コーチング資格の発行元はいくつもあるので、費用な難易度などにバラツキがあります。
自分に合ったところをしっかりと確認してから選ぶようにしましょう。